臨床泌尿器科49巻7号

1995年06月発行

症例

肺癌腎転移の1例

著者： 篠島弘和¹ 森田研¹ 榊原尚行¹ 松ヶ瀬安邦¹ 五十嵐知文² 吉田豊³

所属機関： ¹市立釧路総合病院泌尿器科 ²市立釧路総合病院呼吸器科 ³市立釧路総合病院病理部

ページ範囲：P.483 - P.485

文献概要

　症例は70歳，女性。2年2か月前に肺癌の診断にて左肺全摘術を施行された（腺癌）。術後より定期的に当院内科を受診していたが，腹部CTにて左腎腫瘍および左傍大動脈リンパ節腫大を認めたため当科紹介となった。約9か月前の腹部CTでは左腎に腫瘍は認められなかったため，肺癌腎転移の診断のもと経腹膜的左腎摘出術および左傍大動脈リンパ節切除術を施行した。病理学的検査の結果は，肺癌の転移であった。腎摘出術後当院呼吸器科へ転科，化学療法を行ったが，3か月後，播種性血管内凝固症候群にて死亡した。