文献詳細
画像診断
気腫性腎盂腎炎
著者: 斑目旬1 大石幸彦1 清田浩1 細部高英1 井上貴博2
所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室 2東京慈恵会医科大学第一内科学教室
ページ範囲:P.693 - P.695
文献概要
主 訴 全身倦怠感。
既往歴 50歳時,糖尿病と診断されたが放置。51歳時,左網膜剥離に網膜光凝固術を,53歳時,左白内障に嚢内摘除術を施行された。
現病歴 1993年2月8日,主訴出現。近医にて高血糖を指摘されインシュリン療法と抗菌化学療法を受けた。しかし37℃台の発熱が遷延し,呼吸困難が出現したため2月26日,当院第一内科に転院した。血管・生化学検査,血液ガス,胸部X線所見(図1),腹部X線所見(図2),腹部CT所見(図3)にて重症糖尿病と,これに伴う気腫性腎盂腎炎,反応性胸水・呼吸不全を確認したため,即日胸水穿刺,全麻酔下外科的後腹膜腔ドレナージを施行した。術後はインシュリン療法と抗菌化学療法を続行した。しかし,良好な位置にドレーンが位置していた(図4)にもかかわらず,発熱,胸水貯留に改善がみられず,連日の胸水穿刺を要し,99mTc—DMSA腎シンチグラフィ(図5)では左腎機能がわずかなことより3月15日,右胸腔ドレーン留置と左腎摘除術を施行した。術後経過は良好で4月28日退院となった。
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