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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科49巻9号

1995年08月発行

小さな工夫

膀胱尿道吻合時の工夫

著者: 中田誠司1 佐藤仁1

所属機関: 1群馬県立がんセンター泌尿器科

ページ範囲:P.696 - P.696

文献概要

 前立腺全摘時の膀胱,または代用膀胱を尿道に吻合するとき,糸に番号をつけて区別したりしているが,糸がお互いに絡み合ったりまたはねじれてしまったりして,正常の状態に戻すのに苦労することがある。筆者らはネラトンカテーテルを使ってそのようなことが起こらないように工夫している。
 膀胱と尿道の吻合は12時,2時,4時,6時,8時,10時の6ヵ所で行っている。まず,金属カテーテルの先端が少し尿道断端から出るくらいに挿入する。それを目安に、縫合糸を尿道断端に外→内にかけ,図1のように腹側の3本(10時,12時,2時)は尾側に置いたネラトンに,背側の3本(4時,6時,8時)は頭側に置いたネラトンにねじれのないようにそのまま鉗子で固定する。金属カテーテルを抜去し,太めのバルーンカテーテルを尿道から膀胱内に留置し,少量の水で固定する。先ほど鉗子でネラトンに固定した縫合糸の針のついている方のみをはずし,それぞれ膀胱の対応する部分に内→外で縫合して,またねじれのないようにもとのネラトンに鉗子で固定する。この時気をつけなければならないのは,最初に結紮するのは6時の糸であるためこれは図2のように4時または8時の糸の下を通して頭側のネラトンの最外側に固定しなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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