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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻10号

1996年09月発行

文献概要

セミナー 臨床医のための生物統計学抄説・1

臨床研究とその質

著者: 樋之津史郎1 大橋靖雄2

所属機関: 1東京大学医学部薬剤疫学教室 2東京大学医学部健康科学・看護学科疫学・生物統計学教室

ページ範囲:P.743 - P.747

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はじめに
 かなり乱暴な「たとえ」であることを承知の上で,あえて述べておきたい。「学問のある領域とは,ジグソーパズルのようなものである」と。生物統計学も,一つ一つの概念や手法というピースをつなぎ合わせて構成されるジグソーパズルではないかと考える。一つ一つのピースが何を表わしているかはっきりしていることはむしろ稀で,全体の配置あるいは俯瞰の中でそれぞれのピースのもつ意味が明らかになることが多い。どのような学問でも,最初は一見バラバラに思える概念を覚えることに難儀するものの,点から線そして面というように全体の見通しが良くなるとともに,ピースをあてはめる苦労が少なくなる。もちろん,何を専門とするかにより,そのジグソーパズルのピースの数は違ってくるであろう。生物統計学という領域に対する生物統計家の持つパズルは1,200ピースかもしれないし,臨床医のパズルは300ピースくらいかもしれない。面積も小さいであろうし,ピース自体も粗いものであろう。しかし,そこにその人に必要な概念が過不足なく描かれていれば,少ない数のピースであってもなんら問題はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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