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腎血管筋脂肪腫は症状がなければ保存的観察が可能であるが,そのためには術前の腎細胞癌との鑑別が重要である。そこで今回,当科における腎血管筋脂肪腫症例について画像診断を中心に検討を行った。対象は1968〜1995年までに当科で診断された腎血管筋脂肪腫24例である。17例には外科的治療を行い,7例は現在経過観察中である。超音波検査,CT,MRI,血管造影をそれぞれ23例,24例,10例,20例に行い,その所見を検討した。超音波検査,CT,MRIで腫瘍内に脂肪成分を同定できた症例はそれぞれ17例(73.9%),20例(83.3%),8例(80.0%)であった。血管造影では典型的な所見である動脈瘤様拡張を9例(45.0%)に認めた。以上の画像診断から術前に腎血管筋脂肪腫と診断されたのは20例(83%)であった。4例(17%)は腎細胞癌と診断された。超音波検査,CT,MRIのいずれの画像診断法でも腎血管筋脂肪腫の正診率は70%以上であったが,脂肪成分の少ない症例では腎細胞癌との鑑別が困難であった。また,血管造影での診断的意義は少ないと思われた。
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