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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻11号

1996年10月発行

原著

80歳以上の膀胱癌の臨床的検討

著者: 野口純男1 窪田吉信1 増田光伸1 矢尾正祐1 武田光正1 野口和美1 穂坂正彦1

所属機関: 1横浜市立大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.847 - P.851

文献概要

 80歳以上の高齢者の膀胱癌症例48例に関して臨床的に検討を行った。80歳以上で初診する症例は女性の比率が高く,初発症状として肉眼的血尿が最も多かったが,他の排尿異常を訴える症例も多かった。しかし,症状出現から受診までの期間が遅れる傾向はみられなかった。腫瘍の性状では多発性の腫瘍が多かった。治療は膀胱温存療法が施行された症例が多く,再発率は79歳以下の症例と比較して高かったが,表在性腫瘍に対するTUR-BT施行後の再発に限ってみると有意差は存在しなかった。また,浸潤性膀胱癌に対する癌特異的生存率も79歳以下と差がなく,80歳以上の膀胱癌ではQOLを考慮した膀胱温存療法の必要性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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