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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻12号

1996年11月発行

原著

老人病棟患者の尿路感染に関する検討

著者: 工藤潔1 井上直巳1 上野泉1 伊藤誠二1 中里安邦1 田村仁1 増田富士男1

所属機関: 1常盤平中央病院

ページ範囲:P.927 - P.930

文献概要

 老人病棟に入院した70歳以上の患者90例の尿路感染について検討した。平均年齢は81.9歳,男女比は3対1と女性に多かった。基礎疾患は脳梗塞が過半数を占めた。20例(22.2%)にバルーンカテーテルが留置され,56例(62.2%)にオムツが装着され,自然排尿患者は14例(15.6%)のみであり,尿路感染は各々100%,83.9%,そして35.7%に認められた。寺沢式日常生活活動能力スコアや知的状態の程度と尿路感染とは負の相関関係を示した。非カテーテル留置患者の知的状態別の抗菌薬の有効率は,正常群が中等度〜重度群に比して良好であった。かかる患者の尿路感染には,日常生活活動能力や知的状態の向上に努め,抗菌薬の使用は発症時のみに限るのが適切と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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