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特集 排尿障害を診る—検査と治療
文献概要
女性においても排尿困難,残尿,尿閉は稀な病態ではないが,しばしば患者自身が自覚せず診断の遅れる症例も少なくない。泌尿器科一般の理学的検査,画像検査でも排出障害の存在を示唆する情報を得ることができるため,常に念頭に置くべき病態である。排出障害を疑えば,積極的に尿流動態検査を行う。治療は,症状の軽減とともに残尿の減少,合併症の予防を目的として行われる。残尿の増加を伴う高度の排尿障害に対しては間欠導尿が有用であるが,正しく適切に行えているかを定期的に評価することが重要である。カテーテル,尿器,導尿場所の整備は今後の解決課題である。女性の排尿困難については,明らかな基礎疾患のないものなど病態の不明な症例も多く,今後の検討が必要である。
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