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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻2号

1996年02月発行

原著

前立腺全摘除術におけるサントリーニ静脈叢結紮および膀胱壁剥離の工夫

著者: 高井計弘1 亀山周二2 深澤立1 小山康弘1 小島弘敬1 河邉香月2

所属機関: 1日本赤十字社医療センター泌尿器科 2東京大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.121 - P.126

文献概要

 1993年11月から1995年6月までに逆行性根治的恥骨後式前立腺摘除術14例を行った。初期の9例の深陰茎背静脈結紮法は,バンチング結紮のみだが,後期5例では,これにWalshの尿道の上での結紮を追加した。膀胱頸部周囲と前立腺の剥離は,全例膀胱後壁剥離法を行った。平均手術時間は初期例で4時間38分,後期例で4時間9分,平均出血量は初期例で1,405ml,後期例で838mlであった。術後の最大尿流量速度,平均尿流量速度は術前よりも有意に改善していた。術後3か月で重症糖尿病の1例を除き,良好な尿の禁制を保っていた。膀胱後壁剥離法は膀胱頸部の括約筋を温存し,尿失禁の発生を抑え,排尿状態の改善も期待できると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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