文献詳細
症例
文献概要
患者は8歳3か月,男児。3歳3か月時,排尿困難および両側腎形態異常の精査の結果,右重複腎異所性尿管瘤と診断し,経尿道的に瘤壁切開術を行った。術後,嚢胞状上半腎は縮小し,排尿困難も消失したが,右下半腎尿管への逆流が消失せず,右上半腎尿管への逆流も生じたため,切開術の2年2か月後,瘤切除,膀胱三角部形成術および右尿管共通鞘再移植術を行った。術後2年10か月(瘤切開術後5年)を経過し,IVPで上半腎機能の著明な改善が認められた。これらの結果から,異所性尿管瘤における半腎摘除の適応はきわめて限られたものになると思われる。
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