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増刊号特集 前立腺疾患'96 前立腺肥大症
病因解明の進歩
著者: 杉村芳樹1
所属機関: 1愛知県がんセンター泌尿器科
ページ範囲:P.45 - P.47
文献購入ページに移動前立腺肥大症の病因としては,高齢者に認められることと思春期前に去勢した場合この疾患が発生しないことから,加齢と男性ホルモンが重要と考えられているが,まだ病因の解明に至っていない。しかし,近年の前立腺における基礎的研究の進歩により,1)DHT仮説,2)上皮-間質の相互作用,3)幹細胞(Stem cell)仮説,4)エストロゲンの関与の4つの仮説が提唱されている1)。DHT仮説は,ヒトと同じように前立腺肥大が起きるイヌの研究から提唱され,この仮説をもとに最近は5α-還元酵素阻害剤による治療も行われている。
上皮-間質の相互作用については,胎生期の前立腺誘導作用を持つ間質性小結節と上皮が反応し,新しい腺管分枝が起こり,肥大結節が形成される機序(McNealの仮説2))が興味深い。
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