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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻4号

1996年03月発行

増刊号特集 前立腺疾患'96

前立腺肥大症 検査法の実際とこつ

静脈性腎盂造影

著者: 井口厚司1

所属機関: 1佐賀医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.63 - P.66

文献概要

静脈性腎盂造影をするにあたって
 静脈性腎盂造影は造影剤静注後に左右腎から尿路への造影剤排泄の状態をX線撮影によって観察するもので,分腎機能検査のひとつとして用いられている。また,同時に上部尿路の形態が観察できるばかりでなく,下部尿路の変化もみることができるため,前立腺肥大症の診断・治療にあたっては不可欠ともいえる検査である。
 本法には水溶性ヨード系造影剤を使用するため,検査前にヨード過敏症やアレルギー歴の有無など十分な問診が必要である。最近,非イオン系造影剤が用いられることも少なくないが,これとてときに重篤な副作用がみられることがあるので,やはり細心の注意が肝要である。また,問診や採血の結果などであらかじめ腎機能の低下が予想される患者に対しては,安易な造影剤の使用は控えねばならない。検査は空腹時撮影が原則であり,午前中の検査では朝食時より,午後の検査では昼食時より絶食とする。また,一般に検査前3〜6時間は水分の制限が必要である。糞便や腸内ガスが多いと読影の妨げになりやすいので,とくに前立腺肥大症患者のような高齢者における検査では,前日に下剤の投与などの前処置が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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