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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻4号

1996年03月発行

文献概要

増刊号特集 前立腺疾患'96 前立腺肥大症 治療法の選択と実際・経尿道的治療

レーザー前立腺手術—接触法

著者: 野垣譲二1 千野健志1 岡田清己1

所属機関: 1日本大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.113 - P.116

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はじめに
 医用レーザーの中で前立腺肥大症の治療に使用されているものは,現在のところNd:YAGレーザー(波長1064nm),KTPレーザー(波長532nm),Ho:YAGレーザー(波長2123nm)がある。しかし,後二者は蒸散効果は高いものの水分を多く含んだ前立腺組織において,しかも灌流液中で実施する経尿道的手術ではレーザー光が水分に吸収されて組織透過性が低くなる。また,凝固作用が弱いため止血効果が不十分であり,実際の臨床では他のレーザーとの併用などに頼らなければ使用しにくい。Nd:YAGレーザーはその点,凝固作用があってその上に組織蒸散が生じ,しかも水分に吸収されないため組織透過性が非常にすぐれており1),経尿道的前立腺手術に最もふさわしいと考えられる。
 しかし,Nd:YAGレーザーを使用しても非接触照射ではレーザー光の散乱,減衰,反射が生じて,レーザー光が組織内での熱エネルギーに変換されるときには大きなロスが生じていることになる。したがって高いエネルギーが必要な蒸散は起こりにくく,凝固が中心となり,深達度も浅くなる。これに対して接触照射ではレーザー光が即座に直接組織内に透過し,熱エネルギーに変換されるため,散乱,反射などのエネルギーのロスが起こりにくく,高いエネルギーで組織を照射していることになり,蒸散が生じる1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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