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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻4号

1996年03月発行

増刊号特集 前立腺疾患'96

前立腺肥大症 治療法の選択と実際・開放手術のテクニックとこつ

恥骨後式前立腺摘除術

著者: 広川信1 千葉喜美男1

所属機関: 1藤沢市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.136 - P.139

文献概要

はじめに
 前立腺肥大症の治療法に多くの選択肢がある。TURが治療の主流をなす現在でも,筆者は高度の排尿障害がみられて大きな前立腺肥大症には恥骨後式前立腺摘除術を行っている。大きな前立腺肥大症といっても正確な判定は難しいが,超音波診断,尿道撮影,直腸診,内視鏡などからの推定重量で50g以上のケースである。当院の技量からみると,TURに比べ開放手術は手術目的が完遂されている。腺腫の確実な切除で排尿障害から解消されて良好な排尿感が得られ,尿路感染も早く消失している。手術での輸血は,技量がマスターされていればほとんど必要としない。しかし,かつての前立腺摘除でみる多量の出血は,第一線で働く泌尿器科医の大きな課題で,止血方法にさまざまな考案がなされてきている。これらの止血法をいちべつしておくことは,実地に役立つ知識と思われる。
 前立腺摘除術の要点は,腺腫の巧みな摘除,摘除に伴う出血の処理,膀胱頸部の形成の3点に集約される。ときに思わぬ出血も予想されるので400mlの輸血を準備しておくことは賢明である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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