icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻4号

1996年03月発行

文献概要

増刊号特集 前立腺疾患'96 前立腺肥大症

日常生活上の注意

著者: 勝岡洋治1

所属機関: 1東海大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.140 - P.145

文献購入ページに移動
はじめに
 前立腺肥大症はそれ自身悪性化することはないので,肥大した腺腫の完全除去は必ずしも必要ではない。腺腫が大きくなっても排尿困難を伴わないものは直ちに治療を始めなくてもよい。また,排尿困難の程度がそれほど強くなく上部尿路への障害がみられない場合には保存療法の対象となる。したがって手術療法か保存療法かという二者択一的な発想ではなく,全身状態を十分に把握し,病期に合った治療を組み立てることが必要である。手術適応については患者側の判断も重要である。なぜなら術後の症状と生活の質(QOL)の改善度は自分の症状をどの程度に自覚しているか,手術によってどの位改善が見込めるかの期待度が多分に影響するからである。
 前立腺肥大症の臨床症状は通常3期に分けられ,第1期(刺激期),第2期(残尿発生期),第3期(完全尿閉期)とされるが,各病期が順序どおりに出現するとも限らない。また,各病期の間には移行型があり,自覚症状や残尿量についても固定期に入るまでに大きな振幅がみられる。急性尿閉を経験した患者が1回の導尿後何年も無事に経過することもある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら