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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻4号

1996年03月発行

増刊号特集 前立腺疾患'96

前立腺癌 診断のための検査と評価

腫瘍マーカーはどこまで役立つか

著者: 栗山学1

所属機関: 1岐阜大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.163 - P.165

文献概要

はじめに
 前立腺癌診断における腫瘍マーカー測定は,1936年のEB Gutmannらの転移性前立腺癌の血中酸性ホスファターゼ(ACP)の高値の報告から始まっている。ACPの測定は,その前立腺分画であるprostatic acid phosphatase(PAP)の免疫学的測定へ発展し,さらにPAP以外の腫瘍マーカーの同定を目的とした研究の結果として1980年代から前立腺特異抗原(prostate-specific antigen:PSA)やγ-seminoprotein(γ-Sm)の利用が可能になってきている。その後の研究の結果,PSAは全固形腫瘍中最も優れた腫瘍マーカーとして認められているが,一方ではこうした腫瘍マーカーの利用に一定の限界があることも明らかになっている。
 本稿では,主としてPSAについて今日的問題点を述べるとともに,診断精度をより高めるための試みについて述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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