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増刊号特集 前立腺疾患'96 前立腺癌 治療法の選択と予後
放射線照射方法のプロトコール
著者: 山下孝1 古川雅彦1 小林雅夫1 宇木章嘉1 田中恵美子1 河合恒雄2 山内民男2 福井巖2
所属機関: 1癌研究会付属病院放射線治療科 2癌研究会付属病院泌尿器科
ページ範囲:P.199 - P.202
文献購入ページに移動手術,ホルモン療法,放射線治療の3つの治療法が主に主治医の判断で治療されている感がある前立腺癌は,他の領域の癌に比べても特異的で,治療法が一定していない。しかも,わが国では前立腺癌に放射線治療を行っている施設は欧米に比べて少なく,多くの施設で,前立腺癌の局所に放射線治療を行ったことがないので,どの程度効果があるのか泌尿器科医はもちろん,放射線科治療医でさえ知らないことがある。もともと前立腺癌は,腺癌なので放射線感受性はそれ程良くないため,照射線総量をある程度まで上げなければ効果は期待できない。癌研病院では泌尿器科医の放射線治療に対する理解が深いことから長年にわたって前立腺癌に放射線治療を行ってきたので癌研病院での経験を中心に述べる1)。ホルモン療法および手術を中心に行っている泌尿器科の医師が放射線治療に対して少しでも理解を深めて頂ければと考えている。なお,近年の高齢者の増加に伴い,高齢であるため手術できない前立腺癌症例は増加しているので,今後,侵襲の少ない放射線治療の適応となる症例が増えると考えられる。
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