文献詳細
増刊号特集 前立腺疾患'96
前立腺癌 治療法の選択と予後
文献概要
はじめに
進行性前立腺癌に対する内分泌療法の有用性は確立し,広く用いられている。古くは,除睾術,女性ホルモン剤の内服が行われていたが,近年,下垂体ゴナドトロピンに対する抑制作用を有するLH-RHアナログが使用可能となり,それに加えて標的臓器のアンドロゲンレセプター結合阻害作用を持つアンチアンドロゲン剤との併用療法であるtotal androgen blockade(TAB)も試みられてきている。しかしそれらの効果には限界があり,治療後,経年的に内分泌療法に対する反応性を喪失した再燃癌が増加し,5年後には約25%が制癌されているのみとなる。一度,再燃癌となると予後不良で,その生存期間は約1年と短い。
本稿では,再燃癌に対する治療における問題点につき検討を加え,あわせて現在筆者らが行っている治療方針を示す。
進行性前立腺癌に対する内分泌療法の有用性は確立し,広く用いられている。古くは,除睾術,女性ホルモン剤の内服が行われていたが,近年,下垂体ゴナドトロピンに対する抑制作用を有するLH-RHアナログが使用可能となり,それに加えて標的臓器のアンドロゲンレセプター結合阻害作用を持つアンチアンドロゲン剤との併用療法であるtotal androgen blockade(TAB)も試みられてきている。しかしそれらの効果には限界があり,治療後,経年的に内分泌療法に対する反応性を喪失した再燃癌が増加し,5年後には約25%が制癌されているのみとなる。一度,再燃癌となると予後不良で,その生存期間は約1年と短い。
本稿では,再燃癌に対する治療における問題点につき検討を加え,あわせて現在筆者らが行っている治療方針を示す。
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