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増刊号特集 前立腺疾患'96 トピックス
指向性をもたせたマイクロ波を利用した前立腺肥大症の治療
著者: 塩澤寛明1
所属機関: 1東京医科大学泌尿器科
ページ範囲:P.273 - P.275
文献購入ページに移動前立腺肥大症に対する手術療法のgold standardである経尿道的前立腺切除術(TUR-P)より低侵襲的な方法として,レーザー,マイクロ波,ラジオ波,超音波等を利用した手術療法が行われるようになってきた。このうちマイクロ波はこれまで前立腺温熱治療や高温度治療に広く利用されてきたが,局所的にcavityを形成するような前立腺組織の焼灼には応用されていない。原田らにより,経尿道的なアプリケーターを使用して前立腺部尿道へ全周性にマイクロ波を放射する試みが報告されているが1),これは前立腺組織の凝固変性を目的としたもので,内視鏡下に確認しながらcavityを形成する方法ではない。そこでわれわれは,マイクロ波に指向性をもたせることができ,かつ内視鏡下に操作可能な経尿道的アプリケーターを試作した。マイクロ波を収束させて放射することで,組織焼灼が可能となるだけのエネルギーを得られると考えられ,これを確認するため基礎的及び臨床的検討を行った。
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