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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻4号

1996年03月発行

増刊号特集 前立腺疾患'96

ワンポイントレッスン

逆行性根治的前立腺摘除術におけるdorsal vein complex処理法—無結紮切断手技

著者: 頴川晋1

所属機関: 1北里大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.284 - P.285

文献概要

 恥骨後式逆行性根治的前立腺摘除術においてdorsal vein complex(以下DVCと略す)の完璧な処理は,手術の成否を左右するきわめて重要な手技である。すなわち,この静脈叢の処理がうまくできなければ大量出血を避けられないのみならず,尿道の離断や,確実な神経血管束の処理が不可能となる。また,DVCは,筒状に尿道を取り巻いている外括約筋線維を多数含み,いたずらに結紮を繰り返し止血を図れば,外括約筋の機能長が短縮し,術後の尿失禁状態の回復にも悪影響を及ぼし得る。
 筆者はDVCの処理に際して結紮など処理を一切用いず,鋭的に切断する手技を用いている。小骨盤最奥の静脈叢を結紮せず切断するということに対しては,かなり抵抗を覚える読者が多いかと思われる。実際,ある程度の熟練が必要であることは言うまでもないが,確実な前立腺尖部の処理が容易であり,他の手技より優れている点も多いと思われるので以下に紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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