文献詳細
症例
文献概要
1983年から1994年までの12年間に当科受診のフルニエ壊疽の4例を経験した。症例1は49歳,陰嚢部発赤と腫脹を主訴に入院した。抗生剤を投与し,陰嚢皮膚の切開,排膿,壊死組織を切除,治療経過は順調であった。症例2,3,症例1と同様の処置により完治した。症例2はコカイン吸入歴2年であった。症例4は65歳,男性,罹患後の受診が遅延し,自己処置が適切でなかったため陰嚢は広範囲に壊疽を生じ,下腹部には皮下膿瘍を形成し,ショックなど重篤な状態に進展した。入院後,ショックなどに対する緊急治療を施行し,広範な外科的排膿,切除を施行し,肉芽の形成は良好であった。植皮術を施行し,良好な経過を得た。
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