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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻5号

1996年04月発行

交見室

日本は欧米を超えたか?,他

著者: 水之江義充1

所属機関: 1九大・泌尿器科

ページ範囲:P.356 - P.358

文献概要

 日本は欧米を超えたとか,もう欧米に学ぶものはないという意見も聞かれるこの頃ですが,果たしてそうでしょうか。
 国際化学療法学会に参加した折感じた事を述べさせていただきます。サテライトシンポジウムの一つにUTIシンポジウムがありましたがその進行をリードしていた一人は,泌尿器科医ではなく,Department ofinfections diseaseの方でした。難治性の尿路感染症をうまくコントロールできた症例を含め,フロアーからの意見をモニターしながら何例か提示していました。日本では,各科の一部の方々が感染症治療研究に携わっていますが,欧米にはこうした専門の科があるということを知らされました。又,UTIの基礎的研究においても卓越した研究をしているグループの一つにスウェーデンLund大学のsvanborgのグループがありますが,これはclinical Immunology&Microbiologyに属しています。臨床と基礎研究の橋渡しができる部門が存在し,機能的に活動していると言えるでしょう。先進国の条件として1)インフラの整備,2)経済の発達,3)科学技術の進歩,4)人権の確立等があげられるでしょうが,これを医学又は一般的な立場からみても,日本ではかろうじて2)が達成されているに過ぎないように思えます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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