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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻8号

1996年07月発行

原著

泌尿器科悪性腫瘍におけるサイトケラチン19フラグメントの臨床的意義

著者: 原啓1 栗田稔1 原田昌幸1 松本英亜1

所属機関: 1社会保険中央総合病院泌尿器科 2東邦大学委託部泌尿器科学第一講座

ページ範囲:P.567 - P.571

文献概要

 泌尿器科悪性腫瘍における血中尿中サイトケラチン19フラグメント(以下シフラ)の臨床的有用性について検討した。血中シフラは陰茎癌の1例を除き他は正常であった。尿中シフラのカットオフ値を6.4ng/mlと設定すると,陽性率と平均±標準偏差は腎盂尿管癌(n=4)100%,152.3±112.7ng/ml,膀胱癌(n=15)73.3%,57.1±116.2ng/mlと尿路上皮癌で高値であった。前立腺肥大症(n=24)0%,2.0±1.1ng/mlと比較すると有意に高値であった。一方急性膀胱炎でも陽性率81.0%と高率であるが治療後18.2%に低下した。尿路感染は偽陽性の一因と考えられた。尿路上皮癌では治療後全例カットオフ値以下となり経過観察のマーカーとしても有用と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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