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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻8号

1996年07月発行

泌尿器科の先達を訪ねて・5

南 武先生

著者: 小川秋實 南武1

所属機関: 1東京慈恵医科大学

ページ範囲:P.618 - P.621

文献概要

泌尿器科を選んだきっかけ
 ──きょうは暑い中,お時間をとっていただきまして,ありがとうございます。先生は日本の泌尿器科の揺籃期に,欧米の進んだ泌尿器科をいち早く日本にご紹介くださって,日本の泌尿器科の発展のためにご尽力いただいたということで,尊敬申し上げております。まず,どういうわけで泌尿器科をご専攻になられたのでしょうか。
 南 昭和27年1月に慈恵医大の泌尿器科教授の渡辺一郎先生が急逝されたので,後任教授の選考委員長が,私に「おまえ,泌尿器科にかわれ」と言うんです。私は外科医を志してきたので,お断りしたんです。7月にまた,「公募してもいい侯補者がこないから,かわれ」と言われ,11月にまた呼ばれて,その時もお断りした。けれども同級生の高木という病理の教授が,「南,良い候補者が来ないんだから,おまえがやれよ」と言う。そこで私は条件を出したんです。東大に見学にやってくれと。そんなことはだめだと言う。外国にやってくれと言ったら,そんな金はないと言う。泌尿器科をすることに決めましたが,それじゃ自分で金を貯めて外国へ行って泌尿器科の勉強をしようと,それから外人に英会話を1週間に1度ずつ,習いに行ったんです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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