icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科50巻9号

1996年08月発行

文献概要

小さな工夫

腹腔鏡下手術時の組織牽引の工夫

著者: 川端岳1 原口貴裕1

所属機関: 1三田市民病院泌尿器科

ページ範囲:P.712 - P.712

文献購入ページに移動
 近年,泌尿器科においても腹腔鏡下手術の適応疾患は拡がっている。また1996年4月より副腎摘除術・腎摘除術などが待望の保険適用となり,現在までは限られた施設で行われているに過ぎなかった腹腔鏡下手術は,今後さらに多くの施設で行われるようになると思われる。
 腹腔鏡下手術を受ける側の最大のメリットは皮膚切開線が少ないことであるが,これは手術を行う側にとっては最大のデメリットであろう。特に腹腔鏡下腎摘除術の際の後腹膜腔の展開は,左側であれば脾臓からS状結腸まで,右側でも十二指腸から回盲部まで必要である。このように広い範囲を剥離し,結腸を授動させ,尿管や精系血管などを剥離同定し,さらに場合によってはそれらを牽引しつつ手術を進めて行かねばならない。筆者らは腹腔鏡下手術を開始した当初は既存の鉗子類を用いて尿管などの組織の牽引を行っていたが,最近では各社からさまざまな牽引用の道具が発売され(エンドリトラクト™,エンドバブコック™など)重宝している。しかしこれらを使用するには新たにトロッカーを追加刺入する必要があり,皮膚切開線が少ないという腹腔鏡下手術のメリットを減ずることになると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら