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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻1号

1997年01月発行

セミナー 臨床医のための生物統計学抄説・4

メタアナリシス

著者: 樋之津史郎1 大橋靖雄2

所属機関: 1東京大学医学部薬剤疫学教室 2東京大学医学部健康科学・看護学科疫学・生物統計学教室

ページ範囲:P.35 - P.40

文献概要

Ⅰ はじめに
 最近の新聞報道やテレビのニュースで「ポイント」という言葉が使われていることに気がつかれているだろうか。例えば,「世論調査によれば第二次橋本内閣の支持率は50.9%で,第一次橋本内閣の9月時点の支持率に比べて9.9ポイント上昇した」といった具合である。NHKや民間放送のニュースでも同様で,選挙の投票率なども,その変化については「○○ポイント」といった表現を使っている。NHKの視聴者センターに問い合わせてみたところ,「選挙の投票率で言えば,前回の選挙で選挙権を持っていた人と,今回の選挙で選挙権を持っていた人が必ずしも同じではないことから,分母の違う2つの百分率の差を表わすのにパーセントという言葉を使うことは適当でないためにポイントという言葉を使っている」との回答を得た。ニュース報道においてさえ,割合や比を構成している分母・分子の吟味を行っているわけで,医学研究における割合や比や率についてはさらに十分注意を払うべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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