文献詳細
症例
文献概要
症例は69歳,男性。患者は左側腹部痛を主訴に入院となった。腎盂原発のムチン産生腺癌により,膿腎症を来していた。腎尿管全摘を試みるが癒着が強く断念し,腎瘻からBCGの注入を行った。一般に腎盂原発の腺癌は予後不良とされているが,BCG療法のみで約4年間増殖を抑制できた。その後,皮膚浸潤を来したが放射線療法で腫瘍を縮小させることができた。腎盂原発の腺癌でこれらの保存療法に反応のあった稀な1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。
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