icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻1号

1997年01月発行

小さな工夫

ヘッドマウント型ディスプレイを用いた内視鏡手術

著者: 宮原誠1 中島洋介1

所属機関: 1慶應義塾大学伊勢慶應病院泌尿器科

ページ範囲:P.74 - P.74

文献概要

 近年,TUR-PやTUL,腹腔鏡などの内視鏡手術の際は,内視鏡の接眼レンズにCCDカメラを装着して,テレビモニターを観察しながら行う方法が主流と思われる。最近ソニーより発売されたパーソナルLCDモニター「グラストロン」は,小型の液晶画面をもつディスプレイ部を頭部に装着し,ビデオなどのカラー映像を見ることができる個人用ヘッドマウント型ディスプレイ(標準価格は88,000円)であり,52型画面を約2メートル先に見るような迫力で映像を観察できる(図1)。ディスプレイを装着したままでも外部の様子が見られるシースルー機能が搭載され,また眼鏡をかけたままでも装着可能である。われわれは,TUR-P やPNLの手術の際に使用してみたが,大きな画面は画質もよく鮮明で,非常に有用であった(図2)。シースルー機能のため,グラストロンをつけたまま手元の確認もでき,安全面でも問題はない。TUR-PやTULでは,1台のモニターを直接見れば何ら支障ないが,腹腔鏡手術でモニターが1台しかない場合,助手が不自然な体位を強いられることがある。こうした時,グラストロンを装着すれば楽な体勢で手術ができる。また,グラストロンを装着すると,術野以外の手術室の景色がシャットアウトされるため,手術により集中できる利点もある。近未来映面の観すぎであるなど,種々のご批判もあろうが,今後上手に使えば非常に有効な機器と思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら