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綜説
文献概要
わが国の死体腎移植は,(1)心停止後に提供された腎を使ってなされる,(2)提供される腎が欧米諸国に比べきわめて少ない,という困難のなかで行われている。筆者らは1978年より,(1)死体内灌流冷却法,(2)腎移植直後からの急性尿細管壊死による乏尿期間の管理方法,(3)免疫抑制方法,(4)晩期急性拒絶反応の治療法などの開発を行い,最近では1年,3年,5年の移植腎生着率がそれぞれ85%,70%,60%という欧米並の成績を収めている。筆者らの経験を中心に,わが国の死体腎移植について概説した。
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