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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻10号

1997年09月発行

手術手技 悪性腫瘍の手術・9

リンパ節郭清術

著者: 津ヶ谷正行1 伊藤尊一郎1 丸山哲史1 郡健二郎2

所属機関: 1豊川市民病院泌尿器科 2名古屋市立大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.725 - P.730

文献概要

 リンパ節郭清の主たる操作は動脈,静脈ならびに神経を露出させ,周囲の脂肪組織とともにリンパ節を一塊として剥離することである。
 後腹膜リンパ節郭清は精巣腫瘍,腎細胞癌ならびに腎盂尿管癌において行われる。精巣腫瘍のリンパ節郭清は射精機能障害の合併症を来しやすい。射精機能の維持には,左右とも下腸間膜動脈起始部以下の大動脈前面の下腹神経を温存することと,少なくとも一側の腰部内臓神経を温存することが必要である。腎細胞癌や腎盂尿管癌のリンパ節郭清は、診断上の意義は認められるものの,治療的意義は低い。
 骨盤リンパ節郭清は膀胱癌や前立腺癌で行われる。膀胱三角部からのリンパの流れは直接総腸骨領域に流入するとされることから,膀胱癌におけるリンパ節郭清は,大動脈分岐部以下ないし分岐部の1〜2cmまでのリンパ節を郭清する。前立腺癌のリンパ節郭清術は診断的手段として行われる。
 以下,リンパ節郭清の一般的手技と各疾患におけるリンパ節郭清の意義およびその郭清範囲を中心に述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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