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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻10号

1997年09月発行

症例

体外腎血管再建,自家腎移植術を施行した腎動脈瘤

著者: 篠島弘和12 信野祐一郎1 川倉宏一1 関利盛3 森田穣4

所属機関: 1市立小樽病院泌尿器科 2現 手稲渓仁会病院泌尿器科 3北海道大学医学部泌尿器科 4北海道大学医療技術短期大学部診療放射線技術学科

ページ範囲:P.753 - P.756

文献概要

 体外腎血管再建,自家腎移植術を施行した59歳女性の腎動脈瘤の1治験例を報告した。8か月前より高血圧でカルシウム拮抗剤内服中であったが,血漿レニン活性は低値で,カプトプリルテスト,カプトプリル負荷シンチグラムとも陰性であった。右腎動脈造影では右腎動脈本幹から腎内分岐移行部に径約25×25mmの動脈瘤を認め,腎内主要動脈3枝はすべて瘤から分岐していた。径2.5cm以上の不完全石灰化動脈瘤であり,破裂の危険性ありと判断し,右腎摘出,体外での動脈瘤切除,内腸骨動脈片による腎血管再建の後,右腸骨窩への自家腎移植を行った。術後の血管造影では吻合部に狭窄などを認めず,血流は良好であった。現在術後4か月を経過し,元気に就業中である。本術式は腎動脈瘤に対して有用であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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