文献詳細
画像診断
短期間に改善した出産直後の水腎症と高度の腹圧性尿失禁
著者: 高木隆治1 明石拓也1 阿久津正2
所属機関: 1新潟労災病院泌尿器科 2新潟労災病院産婦人科
ページ範囲:P.774 - P.775
文献概要
主訴 尿失禁。
既往歴 特記すべきことなし。
出産歴 30歳で第1子を出産。その後,尿失禁などのエピソードなし。
現病歴 1996年10月18日,妊娠38週6日で出産。自然分娩。新生児は3,610gであった。出産後に尿意なく,立位になるだけで尿を失禁するため,1996年10月22日に当科を受診した。
現症 出産後4日目のために下腹部がやや腫大している以外は異常なし。神経学的所見に異常なし。肛門括約筋の緊張度に異常なし。検査所見 残尿0ml。DIP検査にて右水腎症を認めた。また,立位にて膀胱頸部開大を認めた(図1,2)。出産後の出血が続いていたためにそれ以上の検査は避け,様子をみることとした。11月6日,再度受診。立位のみでは失禁しなくなったものの,咳またはくしゃみで失禁する。膀胱鏡に異常はなかった。
12月11日(出産後24日目),再び受診。尿失禁は強い腹圧でわずかに出現するのみである。水腎症は消失し,立位での膀胱頸部開大も消失していた(図3,4)。
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