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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻10号

1997年09月発行

画像診断

短期間に改善した出産直後の水腎症と高度の腹圧性尿失禁

著者: 高木隆治1 明石拓也1 阿久津正2

所属機関: 1新潟労災病院泌尿器科 2新潟労災病院産婦人科

ページ範囲:P.774 - P.775

文献概要

 患者 37歳,女性。
 主訴 尿失禁。
 既往歴 特記すべきことなし。
 出産歴 30歳で第1子を出産。その後,尿失禁などのエピソードなし。
 現病歴 1996年10月18日,妊娠38週6日で出産。自然分娩。新生児は3,610gであった。出産後に尿意なく,立位になるだけで尿を失禁するため,1996年10月22日に当科を受診した。
 現症 出産後4日目のために下腹部がやや腫大している以外は異常なし。神経学的所見に異常なし。肛門括約筋の緊張度に異常なし。検査所見 残尿0ml。DIP検査にて右水腎症を認めた。また,立位にて膀胱頸部開大を認めた(図1,2)。出産後の出血が続いていたためにそれ以上の検査は避け,様子をみることとした。11月6日,再度受診。立位のみでは失禁しなくなったものの,咳またはくしゃみで失禁する。膀胱鏡に異常はなかった。
 12月11日(出産後24日目),再び受診。尿失禁は強い腹圧でわずかに出現するのみである。水腎症は消失し,立位での膀胱頸部開大も消失していた(図3,4)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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