文献詳細
綜説
文献概要
薬剤による副作用のうち,生命予後に影響するような重篤なものに対しては従来より関心が持たれてきたが,直接生命にかかわらない精巣への障害については,必ずしも十分に検討されてきたとはいえない。しかし,各疾患の治療法が確立されつつある現在,QOLの向上という観点からその重要性が認識されるようになってきた。そこで,臨床上問題となる抗悪性腫瘍剤,免疫抑制剤などによる精巣障害についてその評価法,作用機転,予防対策などを当科での成績を交えて概説した。しかし,その発症メカニズムなどに不明な点も少なくなく,今後の一層の研究の発展が待たれる。
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