文献詳細
画像診断
3次元CTが診断に有用であったナットクラッカー現象
著者: 並木一典1 大野芳正2 三木誠1
所属機関: 1東京医科大学泌尿器科 2田無第一病院泌尿器科
ページ範囲:P.966 - P.967
文献概要
主訴 無症候性肉眼的血尿。
既往歴・家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 1996年10月26日,突然肉眼的血尿が出現し,その後も持続するため,11月22日に当科で受診した。
現症 腹部所見などに異常なし。
検査成績 未梢血・生化学検査,免疫グロブリン,血清補体価に異常なし。尿細胞診はclassIであった。
臨床経過 初診時に膀胱鏡検査にて左尿管口からの出血を認めるも,DIPに異常なく.ナットクラッカー(nutcracker)現象を疑った。しかし,CTで左腎静脈の圧迫像は明らかではなく,血尿も止まったため,左上部尿路出血の診断の下に外来にて経過観察していた。1997年2月18日に再度肉眼的血尿が出現したため,2月26日,helicalCTを施行し,ナットクラッカー現象による左腎出血と診断した。
なお,超音波検査では腎静脈の狭小傾向,末梢側での拡張傾向を認めた。
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