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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻2号

1997年02月発行

原著

泌尿器科領域の癌性疼痛に対する神経破壊薬のクモ膜下繰り返し注入法による神経ブロック

著者: 田利清信1 東四雄1 斉藤一隆1 佐竹一郎1 千葉浩司1 中込一彰1 小沢和紀1 布施嘉亮2 藤田尚2

所属機関: 1埼玉県立がんセンター泌尿器科 2埼玉県立がんセンター麻酔科

ページ範囲:P.125 - P.129

文献概要

 1975年11月から1996年4月までの間に,頑痛を有する進行癌72例にアルコールまたはフェノールグリセリンによるクモ膜下ブロックを99回行った。
 腰神経では神経1本につき純アルコールまたは7%フェノールグリセリン0.2mlを10分間隔で3回注入し,サドルブロックでは0.5〜0.8mlを3回注入した。サドルブロック後,長期生存した5例では,アルコール3回注入後,4〜7か月,平均5.1か月の除痛効果があった。
 腰椎および仙骨クモ膜下ブロックは比較的容易な手技で,3回のアルコールまたはフェノール注入で長期間神経遮断して除痛を得ることができる。特に,人工肛門や尿路変更した患者のクモ膜下サドルブロックでは,副作用も少なく行うことができる。腰神経より下位のクモ膜下ブロックは泌尿器科医でも行える比較的容易で成功率の高い癌性疼痛に対する方法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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