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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻3号

1997年03月発行

原著

腎細胞癌における臨床病理像の重要性

著者: 住友誠1 中島淳1 大東貴志1 上野宗久1 実川正道1 赤塚誠哉2

所属機関: 1浦和市立病院泌尿器科 2浦和市立病院病理

ページ範囲:P.209 - P.213

文献概要

 腎細胞癌の診断にて手術を施行された34症例について,臨床病理所見の各因子の相関関係および各因子と非再発率との関係を検討した。腫瘍径と症状の有無は他の因子との相関性が高く,重要な臨床的因子と考えられたが,径4cm以下,偶発癌は乏血管像を呈する頻度が有意に高かった。単変量解析では,症状の有無,腫瘍径,病理学的病期,異型度,INFが再発危険因子であったが,多変量解析の結果,病理学的病期が最も重要な因子であった。偶発癌や径の小さい腫瘍の発見頻度の増加は,腎細胞癌の予後の改善に寄与すると思われるが,同時に良性腫瘍との鑑別が困難な症例の増加も予想され,正診率の向上への対策が急務であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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