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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻4号

1997年04月発行

症例

巨大肝腫瘤を伴った腎盂扁平上皮癌

著者: 川崎隆1 川上芳明1 大沢哲雄1 斎藤英樹2 畑耕治郎3 北村康男4

所属機関: 1新潟市民病院泌尿器科 2新潟市民病院外科 3新潟市民病院消化器内科 4新潟県立がんセンター新潟病院泌尿器科

ページ範囲:P.295 - P.298

文献概要

 39歳,女性。主訴は発熱,右側腹部痛。34歳で右腎結石に対して経皮的腎砕石術の既往あり。当科初診の5か月前に他病院にて右腎腫瘤を指摘されるが放置。入院時の腹部CTで肝,腎膿瘍を疑ったが,超音波検査では肝,腎腫瘍も疑われた。パニペネム/ベタミプロンを投与し解熱したこと,および,経皮的肝および腎生検では乾酪様のものを吸引したことから腎膿瘍の肝への波及の可能性が高いとして抗生剤にてしばらく様子を見た。しかし,疼痛の増強と再び高熱もみられるようになり開腹的排膿を試みた。開腹所見は肝膿瘍と言うよりも,明らかな多発性腫瘤を認め,迅速生検では扁平上皮癌の病理診断であった。結果的には腎盂扁平上皮癌が肝へ直接浸潤あるいは転移したものと考えられ,手術的摘出は不可能であった。手術後は肝腎機能障害,高カルシウム血症を呈し術後約1か月で死亡した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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