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リンパ管シンチグラフィが診断に有用であった乳糜尿の1例
著者: 山本議仁1 野村伊作1 杉元幹史1 松岡則良1 竹中生昌1
所属機関: 1香川医科大学泌尿器科
ページ範囲:P.331 - P.333
文献購入ページに移動主訴 赤白色寒天状物質の尿への混入。
既往歴 1995年1月,両側白内障手術。
現病歴 1995年12月頃より尿混濁を認め,持続するため,1996年1月16日近医内科を受診,1月19日当科を紹介受診した。
居住歴 生来香川県に在住,海外渡航歴なし。理学的所見 特記事項なし。
検査成績 軽度の貧血を認め,便潜血は陰性,AFP, CA19-9, CEAは正常値だった。尿検査では乳白色混濁尿で蛋白3(+),沈渣にて赤血球を多数認め,ウルツマン法によって乳糜尿と診断した。
経過 腎エコーで異常所見なし。入院後のIVPで上部尿路に明らかな異常は認めず,胸部X線腹部CTでも異常所見を認めなかった。入院時に撮影したリンパ管造影では,リンパ管相およびリンパ節相で右腎,腎杯に一致してリピオドールデポジットを(図1,2),腹部CTでも右腎に一致してリピオドールデポジットを認め(図3)。さらにリンパ管シンチグラフィを施行したところ,右腎門部にホットスポットを認めた(図4)。
以上より右腎由来の特発性乳糜尿と診断し,硝酸銀溶液を注入した(図5)。術後1日目より尿は黄色,透明になり,12日目のリンパ管シンチグラフィでは前回あった右腎門部のホットスポットは認められなかった(図6)。以後,乳糜尿は出現していない。
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