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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻4号

1997年04月発行

画像診断

腎盂内鋳型に発育した腎細胞癌

著者: 清水弘文1 岡田収司2 斉藤和博3

所属機関: 1八潮中央総合病院泌尿器科 2上尾中央臨床検査研究所病理部 3東京医科大学放射線科

ページ範囲:P.334 - P.336

文献概要

 患者 56歳,男性。
 主訴 右下腹部痛,膨満感。
 家族歴・既往歴 特記事項なし。
 現病歴 1995年2月初旬より右下腹部の鈍痛,腹満感があり,当院内科に入院。腹部超音波検査にて右水腎症が認められた。また,1994年11月に肉眼的血尿の既往があったことから,当科を紹介された。
 入院時現症 体格中等度,栄養良好,胸腹部理学所見に異常なし。体温36.7℃。
 検査所見 血液検査では軽度の貧血(赤血球379×104/mm, Hb 10.2 g/dl)を認める以外異常所見なし。尿沈渣は赤血球0〜1/強視野,白血球0〜1/強視野。尿細胞診class IIIb。
 画像検査 IVP 15分像では右腎は無造影腎であった。逆行性腎盂造影を試みたところ,理由は不明であったが,尿管カテーテルを右尿管口から3cmしか挿入できなかったので,順行性腎盂造影(AP)を施行した。腎盂内には腫瘍の存在を示唆する不整な陰影欠損像を認めた(図1)。単純CTでは右腎に腎実質腫瘍の存在を疑わせる陰影がみられ,その下方のスライスでは実質には異常所見なく,腎盂の拡張のみが認められた(図2)。AP後のCTでは右腎盂内を占有する腫瘤を認めた(図3)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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