icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻5号

1997年04月発行

増刊号特集 術者からみた局所解剖

Ⅰ 上部尿路・副腎系の局所解剖 3.腎盂・尿管

尿管手術

著者: 大西哲郎1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属青戸病院泌尿器科

ページ範囲:P.66 - P.70

文献概要

尿管の区分
 尿管は,腎盂と膀胱をつなぐ粘膜(移行上皮),筋層(縦走筋,輪状筋,螺旋状筋),線維膜の三層構築からなる。径が7〜8mmの管腔性臓器で,長さは30cm前後である。原則的には尿管は1対であるが,重複尿管も存在し,その際は完全型(2本の尿管がそれぞれ膀胱に開口する)と,不完全型(2本の尿管が膀胱に到達する以前に癒合する)がある。腎の位置関係から,左尿管は右尿管に比較して約1〜1.5cm長く,腎盂尿管移行部,尿管が腸骨動静脈をまたがる部位および尿管膀胱移行部の3か所が生理的に狭い。また尿管は,その前後を同側の精索(卵巣)動静脈を伴走する形で腎筋膜に連続する筋膜(結合組織膜)に包まれて後腹膜腔を下降し,骨盤腔へ達する。尿管を構成している筋肉は尿の輸送に関与しているが,尿管の蠕動のペースメーカーは,腎盂下部にあるといわれており,さらに尿管部にも要所要所にペースメーカーが存在し,これによって尿は連続的ではなく塊(bolus)となって尿管中を下降する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら