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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻5号

1997年04月発行

増刊号特集 術者からみた局所解剖

Ⅲ 男性尿道・陰茎および腹壁の局所解剖

総論

著者: 三木恒治1

所属機関: 1大阪大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.120 - P.131

文献概要

陰茎・尿道の解剖
 1.陰茎・尿道の発生1,2) 陰茎・尿道は,胎生3週頃に,一対の排泄腔ヒダと生殖結節が形成されることによって発生してくる。さらに胎生6週には,排泄腔膜が尿生殖膜と肛門膜に,また排泄腔ヒダが尿道ヒダと肛門ヒダにそれぞれ分かれてくる。胎生10週頃には,胎児精巣から分泌されるエストロゲンの働きにより,生殖結節が急に進展し,生殖茎と呼ばれる陰茎の基礎ができてくる(図1a)。同時に尿道ヒダから尿道溝の側壁が形成され,さらにこの溝を覆う内胚葉起源の細胞が尿道板を形成する。胎生3か月の終わり頃に,この尿道ヒダが尿道板を囲むように融合して尿道および尿道海綿体が形成される(図1b)。しかしこの尿道腔は生殖茎の先端までは形成されず,尿道の先端は胎生4か月頃に形成される。同時に亀頭先端より外胚葉細胞が侵入し,尿道腔に向かって上皮索を形成し,外尿道口を形成するとともに,尿道腔と通じた後,尿道ヒダが完全に癒合して尿道および陰茎が完成する。この癒合部が陰茎縫線となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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