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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

綜説

膀胱上皮内癌—病理学的概観と悪性度の異なる2組織型の臨床病理

著者: 花井淳1 井口正典2 栗田孝3

所属機関: 1市立堺病院病理・研究科 2市立貝塚病院泌尿器科 3近畿大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.357 - P.366

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 膀胱CISについて病理組織学的視点から歴史的経過と現在の考え方を要約した。その中で,組織診断基準が今一つ明確さを欠いていることがわかり,泌尿器科医,病理医,細胞診スクリーナーによる膀胱CIS病理診断パネルを過去3年間に3回実施した。このパネルの22症例の検討において,腫瘍細胞の核質には,核質粗慥の群とクロマチンが濃く均質な群の2種類があることがわかった。前者はPCNAやp53が陽性を示し,容易に浸潤しやすく,活性型とした。後者は2抗体が陰性,剥離傾向が強く浸潤性が乏しく変性型とした。検討した22例中16例がCISであった。変性型10例,活性型1例,混合型5例であり,混合型では変性型優勢が3例であった。この型分類は治療法選択に有効であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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