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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻6号

1997年05月発行

手術手技 悪性腫瘍の手術・5

膀胱全摘除術

著者: 橘政昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.369 - P.374

文献概要

 膀胱全摘除術は局所浸潤膀胱癌あるいは,経尿道的切除によりコントロール不可能な表在性膀胱癌の根治的治療方法として泌尿器科領域におけるmajorsurgeryの代表的な術式の1つとして重要である。一般的に男性の場合の根治的膀胱全摘除術とは,膀胱を被覆する腹膜と周囲脂肪織とともに膀胱,前立腺,精嚢腺を一塊として摘出することを意味し,通常尿道摘出も含む。一方,女性においては,子宮頸部を含む子宮ならびに最低一側の卵巣の摘出を原則とする。最近の尿路変向術の変遷に伴い,自然排尿型の尿路変向術が広く普及するに至り,尿道ならびに女性では膀胱頸部を温存する術式も容認されつつあるものと考えられる。膀胱は豊富な動脈の供給を受け骨盤静脈叢が存在し,時として膀胱全摘除術は出血量が多量となることがある。この術式の要点は,いかに膀胱および前立腺尿道部の血管をその周囲組織を含めて処理するかにかかっている。以下,その要点につき解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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