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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科51巻7号

1997年06月発行

小さな工夫

精管・精嚢造影時におけるブルドッグ鉗子による中枢側精路への造影剤逆流防止

著者: 大橋正和1 石川博通1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.522 - P.523

文献概要

 男性不妊診療において,精路の異常や精路通過障害の有無を明らかにする目的で施行される精管・精嚢造影1)は,精巣生検とともに日常的な検査である。本検査のコツは,指先で精管をしっかりと保持し,その直上の皮膚を切開し,精管を周囲組織を含んだまま精管鉗子で保持することにつきる。そして,剥離・露出された精管に24Gエラスター針を末梢側(膀胱側)に向かって挿入し,造影剤を注入する。その際,時として中枢側(精巣側)精路が逆流した造影剤により描出されることがある(図1)。
 この精路中枢側への造影剤の逆流は,精路内圧を上昇させ.精路を破綻させ,ひいては新たな医原性精路閉塞を生じさせる危険性があり.好ましいものではない。乏精子症例に対して本検査を施行し,検査後の精液所見が検査前より悪化した例はなかったという報告がみられるが2),日常診療において合併症は最小限にとどめたいものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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