臨床泌尿器科51巻8号

1997年07月発行

症例

後腹膜に発生した成人悪性化奇形腫

著者： 菊地栄次¹ 住友誠¹ 中村薫¹ 村井勝¹ 秦順一²

所属機関： ¹慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室 ²慶應義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲：P.583 - P.585

　25歳，男性。左上腹部腫瘤を主訴に他院を受診した。左腎門部に発生した後腹膜腫瘍の診断で腫瘍摘出術を施行され，奇形腫と診断された。2年後，左陰嚢内腫瘤を主訴に当院を受診し，左精巣腫瘍の診断にて左精巣摘出術を施行した。病理組織学的診断は精上皮腫であった。術後CT検査，MRI検査にて左腎門部に径2.5cm大の腫瘤を認めたため，化学療法および後腹膜リンパ節郭清術を施行した。病理組織学的診断は悪性化奇形腫であった。