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綜説
文献概要
癌患者の予後を検討する上で,病理組織像よりも分子レベルでの解析が有益である腫瘍もあるが,現実的には尿路腫瘍では病理組織像からの診断のほうがより多くの有益な情報が得られていることも確かである。本稿では,形態学からみた予後規定因子を客観的に検討するという観点から,前半で細胞計量の種々の方法論のreviewを行い,後半でstereologyの理論を応用した平均核容積(MNV)の尿路腫瘍,特に膀胱癌と前立腺癌における有用性の検討を記述した。MNVは特殊な技術や装置が不要であり,どこでも簡便かつ短時間に測定することができる尿路腫瘍の客観的な予後規定因子であり,有用なものと考えられる。
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