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セミナー 合併症をもつ患者の術前・術後の全身管理・3
文献概要
術前より呼吸器疾患を随伴していると,術後に肺合併症を発生する可能性が高いといわれている。気管支喘息を合併している場合には,適切な薬剤を用いて発作の発生を抑えてから手術を実施する。慢性閉塞性肺疾患例では,特に術後肺合併症に陥る可能性が高いため,吸入療法や肺理学療法などを術前より十分に行う。いずれにせよ,術前より呼吸器障害を有する例に対しては,その病態を十分に把握し,術中は呼吸器系に対して留意した麻酔管理を行うとともに,術後は疼痛管理や理学療法などを積極的に施行し,肺合併症の発生を予防しなくてはならない。
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