文献詳細
画像診断
文献概要
患者 73歳,女性。
主訴 発熱。
現病歴 1996年7月13日頃より39℃台の発熱が出現し,同17日に当院内科に入院した。セフェム系抗生剤の静注により解熱したが,原因の精査目的で施行した腹部CTスキャンで右腎下極に腫瘤性病変を認めるとして当科を紹介された。
既往歴 完全房室ブロックのためペースメーカー植え込み。
現症 右上腹部に違和感があるのみで,背部痛や肋骨脊柱角叩打痛などを認めなかった。検査所見 末梢血白血球数11,300/mm3,C反応性蛋白(6+)と炎症所見があり,その他にAST57IU/Z,ALT49IU/l,LDH483IU/lの上昇を認めた。検尿では蛋白(2+),潜血(+)であったが,尿沈渣では赤血球5〜6/強視野,白血球10〜15/強視野と軽度の白血球尿を認めるのみであった。
画像診断 腹部単純写真に異常なく,腹部超音波断層法では右上部尿路の軽度の拡張所見が認められるのみであった。排泄性尿路造影でも右下腎杯がやや描出不良であるものの,明らかな病変は指摘できなかった(図1)。腹部CTスキャン(単純)で右腎下極に腎実質と等吸収な腫瘤性病変が存在したが(図2),当科で行った造影CTスキャンでは腫瘤辺縁部に造影効果を認めるものの,中心部はほとんど造影されず,腫瘤の境界は不明瞭であった(図3)。
主訴 発熱。
現病歴 1996年7月13日頃より39℃台の発熱が出現し,同17日に当院内科に入院した。セフェム系抗生剤の静注により解熱したが,原因の精査目的で施行した腹部CTスキャンで右腎下極に腫瘤性病変を認めるとして当科を紹介された。
既往歴 完全房室ブロックのためペースメーカー植え込み。
現症 右上腹部に違和感があるのみで,背部痛や肋骨脊柱角叩打痛などを認めなかった。検査所見 末梢血白血球数11,300/mm3,C反応性蛋白(6+)と炎症所見があり,その他にAST57IU/Z,ALT49IU/l,LDH483IU/lの上昇を認めた。検尿では蛋白(2+),潜血(+)であったが,尿沈渣では赤血球5〜6/強視野,白血球10〜15/強視野と軽度の白血球尿を認めるのみであった。
画像診断 腹部単純写真に異常なく,腹部超音波断層法では右上部尿路の軽度の拡張所見が認められるのみであった。排泄性尿路造影でも右下腎杯がやや描出不良であるものの,明らかな病変は指摘できなかった(図1)。腹部CTスキャン(単純)で右腎下極に腎実質と等吸収な腫瘤性病変が存在したが(図2),当科で行った造影CTスキャンでは腫瘤辺縁部に造影効果を認めるものの,中心部はほとんど造影されず,腫瘤の境界は不明瞭であった(図3)。
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