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綜説
文献概要
腎盂腎炎は最も頻度の高い感染症の1つであり,細菌の逆行性感染により,腎盂および腎実質に炎症が惹起される。腎盂腎炎の結果として腎機能の障害へつながる可能性もあり,尿路感染症の中では最も重要な感染症の1つである。尿路感染症における細菌側の病原因子には多くのものが知られており,相互に関連して感染の発症と持続,さらには全身への拡大につながっており,感染の後遺症としての腎瘢痕にも注目する必要がある。腎における感染発症と炎症の惹起および腎瘢痕の発生メカニズムにおける線毛の意義を中心に,現在までに行われてきた墓礎的,臨床的研究の成果を紹介する。
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