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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科52巻13号

1998年12月発行

原著

泌尿器科において血液透析を施行した急性腎不全の検討

著者: 関口由紀14 野口和美3 小田寿2 宮井啓国1 穂坂正彦3

所属機関: 1横浜市立港湾病院泌尿器科 2横浜市立港湾病院内科 3横浜市立大学医学部泌尿器科 4現 横浜市立大学浦舟病院泌尿器科

ページ範囲:P.1021 - P.1025

文献概要

 1971年から1992年末までに横浜市立大学医学部附属病院泌尿器科で血液透析を施行した急性腎不全症例に関して臨床的検討を行った。全18症例の平均年齢は58.8歳であった。腎不全の種類は腎性もしくは腎前性と考えられる症例が16例,腎後性と考えられる症例が2例であった。術後急性腎不全以外の症例には高血圧,糖尿病などの内科的合併症が55%に認められた。泌尿器科手術を原因とした症例は7例であり,平均術中出血量は2,838ml,平均手術時間は9時間40分であった。術後症例に関しては,透析離脱例と透析非離脱例の間にはBUN値に有意差を認めた。また,術後腎不全症例の7例中5例が単腎症例であった。単腎症例の死亡例は術前に軽度の腎機能障害や糖尿病の合併を認めた。全症例の72.2%が透析を離脱したが,生存症例は44.4%であった。生存者の平均年齢は54.3歳,死亡者の平均年齢は64.4歳だった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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